新緑とお花の阿武隈高地を歩く  
  東北の山は中央部に奥羽山脈、日本海側に出羽山脈、太平洋側に北上高地、その南に阿武隈高地が連なっていると習ったのは中学校1年の人文地理だった。そして山の本から一盃山を知ったのはかなり昔で、当時は藪山で残雪期しか登れないとあったが、最近は四季を問わず登れると知った。そして鹿狼山七峰縦走を併せて計画すると三人が同調してくれたので実行に移すことにした。
 期間  2019年(令和元年)52日〜4
 メンバー  山田、吉島、伊藤、藤原
 52     酒飲みにとって聖地の山一盃山に
 一盃山のスライドショー
 木更津南IC4:55=小野IC8:35=一盃山P9:20…登山口9:40一盃山(856)10:50…三角点11:05…一盃山11:20/11:45…登山口12:20P12:40=高柴山登山口13:25高柴山88414:05/14:15…登山口14:35=小野IC15:10=新地IC16:55=鹿狼の湯17:05(泊)<行動時間:3時間00分+1時間10分>
 連休はどこ吹く風で高速は順調に走って田母神に。黒甫登山口までは工事中だったが工事を一旦中止してもらって登山口まで20分歩いた新緑の中にヤエタチバナの黄に山桜の薄ピンクに足元には珍なる斑入りのスミレをはじめキジムシロ・ニリンソウ・ヒトリシズカ等々の山野草が咲き誇っていて、急坂を乗り切って‘風の音’のピークに、目前に計画に織り込んでいたがゆっくりと山を楽しむためにパスした端正な蓬田岳が確かめられます。郡山からきた‘ウド’採りを目的にきたというおばさん達6人が食事中でした。一盃山の三角点からは残雪を抱いた那須岳・安達太良山が遠望して、一盃山の標識前でいっぱい飲んで昼食して下山の途に付きました。

 今日の2座目の浮金小学校を目指してマイカーを走らせ高柴山の駐車場へ。一旦、駐車したが林道はまだ奥まで伸びているので再度車を走らせると広い広い駐車場があり数台止まっていました。そうなんだ、高柴山はツツジの季には観光客が多く、下の駐車場はバスで、マイカーはここまで来れるのだと納得です。

 軽トラが走れそうな登山道で山頂広場に到着。残念ながら躑躅は5月下旬以降でしょう、まだ堅い蕾でした。途中我々を追い越していった英国人の登山記帳にも 「まだBloom(花の開花期)には早い」と大男なのに小さなスペルで書かれていました。展望台は風強く早々に退却して、明日の登山口にある「鹿狼の湯」に常磐道を使っていきますが、車窓からも福島原発の被災地はまだ復興には程遠く田畑は太陽光パネルが張られていて、放射線測定盤にはマイクロシーベルト値は0.12.8を示していました。

 53     山座を一気に稼ぐ鹿狼山七峰(かろうさんななうね)縦走
 鹿狼山縦走スライドショー
 鹿狼山登山口7:55鹿狼山(430)8:55…鈴宇峠10:00五社壇(383)10:35…福田峠11:00地蔵森34811:40/12:05権現堂山32512:40主義山31313:10音羽山28813:35金華山23514:05…小齋峠14:20/14:40=(タクシー)=鹿狼の湯15:00=相馬市/いさみや旅館15:30(泊)<行動時間:6時間25分>
 鹿狼山には地元のおじさんおばさん達の日課として登られているようで、額に汗して登っていて、我々はオオルリやアカゲラの囀りに耳を傾けたり足元の山野草の足を止めたりしていて追い抜かれます。山頂からは360度の眺望が開けていますが、少し春霞が掛かっているのが残念です。

 カタクリの花が数輪残っていて、アケボノスミレ・ニオイタチツボスミレと教えてくれたおばさん、我々が「小齋峠まで行く」と言うと、「そんな調子では行けないよ、何もないよ、気合を入れないと」と喝を入れられました。

 アップダウンをくりかえすこと14回、累計標高差1,694と少し山を舐めていたようで最後頃は結構足にきていましたが、尾根道は気分よく歩け時折ざ残雪の蔵王連峰も眺められ、鹿狼山を過ぎてからは擦違うハイカーも10人未満で、その分、チゴユリ・ヒトリシズカ・キジムシロ・イチヤクソウにスミレのオンパレードに山桜・モミジイチゴ・ヤマツツジ等が常に花を添えてくれて、無事七座を完歩して小齋峠に到着出来ました。

 タクシーで鹿狼山登山口に戻って、今日の宿の相馬市松山浦の旅館にに。夕食は期待通りの魚料理でお祝いのアルコールが進みました。

 宿も津波で土砂で2m近く埋まったが3か月後には営業できるまでにしたそうで、当時の写真が階段に掲示されいて想像に絶するものでした。

 54   復興の相馬市
  いさみや旅館8:30=(松川浦大橋・大洲海岸道路を経て)=相馬IC9:00=木更津南IC13:05 
<マイカー走行距離=904q>
 宿の主からは津波が襲ってきたときの状況をお聞きして、まだ復旧途上の現場を見て、渋滞に合うこともなく帰路につきました。