北八ヶ岳敗退記 
 年末年始の山行案が幾つか提案されたが、北アルプスは猛吹雪予報であるし、自分の体力からはもう厳しい山行は出来なく、西天狗岳の山頂は踏んでないので、しらびそ小屋を起点として夏沢峠経由で天狗岳から中山峠を経ての周回コースを希望して計画書が送られてきた。山小屋2泊であるし自分の体力からも大丈夫ではないかと思い、メンバーも6人が集まり、現地までの凍結した道路対応で出車の小川さんはタイヤ更新・シエーンの購入もしてくれたが、出発直前に1名参加出来なくなり5名となったために、スタッドレスのMYフォレスターに急遽変更になった。
 2011年の年末山行と同じコースで、まだ黒川君健在で勇気を振り絞って本沢温泉の野天風呂に入った記憶が鮮明に残っている。
 期間  20181230日〜201911
 メンバー  山田、吉島、伊藤、小川、工藤
 ちーちゃんの大好きな北八ヶ岳Photo
 <12/30>    木更津南IC 5:30=長坂I.C8:15.9:20唐沢橋9:40…しらびそ小屋11:50/12:35…本沢温泉14:05(泊)行動時間<4時間25分>
 笹子トンネルを抜けると南アルプスの白鳳がドカンと現れ、奥秩父の主峰金峰山等々と晴れ渡っていて嬉しき限りだ。心配した道路の凍結も難なく稲子湯先の唐沢橋に到着したが駐車場は満杯で、警備のお巡りさんは「稲子湯まで引き返して」と言われたが無理やり駐車した。
 雪は少なくアイゼンも付けなく、みどりが池の頭上の天狗岳の雪稜がのしかかってくるしらびそ小屋に、休憩は¥200とのことだったが小屋のおじさんおばさんに顔が利く工藤さんのお陰で無料で暖も取りながら昼食を摂ってのんびりと過ごして本沢温泉に向かった。
 本沢温泉は12食¥10,000だが全館が寒い感じだ、そうだろう標高は2100mで部屋の暖房は炬燵と石油ストーブで、アルコールをチビリチビリと内側から暖をとる。風呂に入りたいが7年前の野天風呂に入ろうとは誰も口にしなく、内風呂は閉鎖で、外風呂の石楠花風呂だけとのことで寒くて入るのは止めたが、勉ちゃんに仁さんは酔いに任せてか「いい湯だった」と戻ってきた。サプライズは12月で退職した仁さんと吉ちゃんの二人に工藤さんがカステラケーキを準備していて、二人でケーキカットしたがあまり様にはなっていなかったようだ。もう一つの問題はトイレまで階段を下って行かなければならないことで寒いのだ。今晩の泊り客は30名弱で夕食は鍋とおでん鍋の2種で個数管理をしないといけけないのだ。
 夜中にトイレニ行くたびに引戸が開くと冷たい風がその都度顔に当たって目が覚めていた。朝方は部屋の内側のガラスには氷が張り付いていて、館内はマイナス
9℃だった。
 房総の睦五郎のPhoto
 <12/31>    本沢温泉7:20…夏沢峠…箕冠山…東天狗岳…西天狗岳…東天狗岳…中山峠…しらびそ小屋13:30(泊)小川、伊藤 行動時間<6時間10
 ★退却した山田に、付き添った吉島君、当初から本沢温泉までの工藤さんの三人は野天風呂分岐上部…しらびそ小屋10:55 行動時間<3時間35分>
  またまた11月の小川山と同じくトラブル発生だ。スタート直後は快調だったのに、野天風呂への分岐を過ぎてすぐに、急に身体に力が入らなくなり歩けなくなってしまったのだ。頭から血の気が引いてきたようでボーとなってきて座り込んでしまった。オオキジを打って戻ってきたので、三人には予定通り行動するように言ったが、吉ちゃんは心配だと一緒に下ってくれることになった。本沢温泉を過ぎてしばらくすると写真撮影に夢中の工藤さんに追いついた。

 ここから三人でゆっくりと歩いて、小動物の足跡ウォッチング等をしながらしらびそ小屋に。自分の状態を小屋のお母さんが帰るまで顔を合わせるたびに心配してくれます。その内勉ちゃん仁さんの二人が予定の東・西天狗も登ったと予定より早めに無事戻ってくれた。自分としては西天狗が又宿題として残ってしまった。

  夕食時にはオーナーの息子さんの挨拶があり、「藤村のにごり酒」が振る舞われて豪勢な料理が並び、食後は小屋の常連さんの指導で山の歌を歌った。久しぶりに「信濃恋歌」や「穂高よさらば」も歌った。昼間のあのトラブルは何なのだろうか?

 一番の原因は加齢で気力はあるが体力が無いことだと思う。今回でアイゼン・ピッケルを使うような冬山は止めた。

 <1/1>     しらびそ小屋8:10…唐沢橋9:50=八峰の湯10:25/12:00=須玉IC13:10=木更津南15:35   行動時間<1時間40分>
 餅つきの杵を握るのは何十年振りか、元旦の朝食にはお神酒に突きたての餅を頂き、モルゲンロートに映える天狗岳を仰いで新年を迎えた。
 下山時にアオゲラ・ヒガラ・コガラ等々の野鳥ウォッチングし、八峯の湯に入って渋滞もなく帰路についた。