敗退の仙丈ケ岳 
 年末年始の山行計画案が幾つか提案されたが仙丈ケ岳に決まった。昔は北沢峠キャンプ地テント泊で、甲斐駒ケ岳と仙丈ケ岳の34日の山行も全く苦にならなかったが、歳なんだろうアプローチが長いのが気になるなー。

そしてトラブル発生。1日目はアイゼンを履く予定でなかったが、丹渓山荘直後の急坂が凍っていて滑るので急遽アイゼンを履いた。通常アイゼンを履くときはスラックスの裾が広がらないようスパッツを付けるのだが横着して着けなかった。八丁坂下の右岸から左岸に渡る先行の3人を写真に撮ろうと歩きながらカメラを出していると足元が不注意となってアイゼンをスラックスに引っ掛けて転倒し両膝を強打した。今まで人には「風景を観たり他の動作をするときは必ず止まってから」と注意していたのに何ということか、後悔後に立たずだ。

 期 日 20161230日〜201711 
 メンバー  山田、吉島、伊藤、丸山
敗退の仙丈ケ岳スライドショー 
 30   木更津南IC4:40=伊那IC7:50=戸台9:00…鋸角兵衛沢11:55…丹渓山荘12:45…八丁坂の頭14:00…こもれび山荘15:40<行動時間=6時間40分>
 戸台登山口から丹渓山荘まで雪煙をあげる甲斐駒ケ岳が眺められたりして山に入る気分が高揚するが、河原歩きにも辟易する。
 丹渓山荘からアイゼンを装着して八丁坂下手前で大転倒、これから八丁坂の登りが始まるというのになんたることか。左膝に違和感があり足が鈍くなるも何とか山荘に到着した。右足には裂傷、左膝は腫れていて曲げると痛く、取りあえず湿布薬を張る。
 しかし、そんなことにお構いなく夕食前のプチ宴会のアルコールで痛みを和らげる。 
 31   こもれび山荘6:204合目8:30…森林限界9:40…こもれび山荘12:15 <行動時間=5時間55分>
 気温マイナス6℃。夜が明けるとモルゲンロートに染まる山が樹間越に眺められるも、足の痛みと加齢によるエネルギー不足で3人から遅れ始める。

4合目でこれ以上足を引っ張ると頂上への到達時間が遅くなり山荘に戻るのが遅くなるので目標を小仙丈ケ岳までに切り替え、油絵の題材として甲斐駒ケ岳をじっくり眺めようと3人には先行してもらうことにした。

 大滝の頭を過ぎると下山者と出会う、早いなーと思って一人に「早いですね」と問うと「風が強くて引き返しました」と、他の人もそうなんだろうか?

 森林限界を越えると鋸岳・甲斐駒ケ岳・早川尾根・鳳凰三山に北岳が、遠くは八が岳と雲一つない快晴。

3人の姿が小仙丈ケ岳の登りに確かめられる。自分も小仙丈ケ岳までは頑張ろうと思ったら、大をもよおしてきて森林限界まで引き返した、が、もう登る気力は失せてしまっていた。

 下りの方が膝への負担が大きく超スローの歩みとなる。時間はたっぷりあるので2合目からキャンプ場への道を歩いたが昔のイメージと違っていてキャンプ場には寄らずに山荘に戻った。

 膝の手入れやパッキングの見直しをしていると3人が元気よく戻ってきた。早いなーと思っていると「小仙丈ケ岳で引き返した、アイスバーン状態でやばいと思った」とのことで「軟弱者」と言ったが、年末年始にかけて滑落遭難が頻発していて安全策が正解だったかもと思った。

 夕食までのプチ宴会と、夕食は豪華な食事とワインサービスにギター奏者の演奏やジャンケン大会での賞品も出たりと大晦日の山小屋雰囲気があった。

 1   こもれび山荘6:20…丹渓山荘8:35…戸台登山口11:25=みはらし温泉=伊那IC14:20=木更津南IC18:00
<行動時間=5時間05分>
 「こもれび山荘」は以前の「長衛荘」時代と違ってイメージを一新させてくれ、特に部屋はカーテンで仕切られて個室的な感じでトイレも洋式で全体的に清潔だった。

曇っていた空も晴れて快晴となったが、自分の心は膝の痛みで暗雲が広がっていたが、無事登山口に戻れた。

 伊那市内からは中央アルプスに南アルプスの全望が出来るのも嬉しいものです。みはらし温泉に寄って痛み止めと称して生ビールをいただき、ドライバーは勉ちゃん吉ちゃんがしてくれ、渋滞もなく無事戻れました。

 山頂に立てなかったがこんな山行もまた思いで深いものになるだろう。

 4日病院に。骨には異常なしとのことで一安心。医者から「転倒した後、何故山を下らなかった」と問われたが、そんなことは全く頭に浮かばなかった。
★一年の計画を4日に立てるようにしてきたが、今年は全くの白紙で膝が回復した時点で立案しよう。その日が一日も早く来ることぉ願うのみです。