立山三山縦走記 
 「紅葉の涸沢を見たい」と九州のSCRAP仲間の山下一男君の奥さん英子さんのご要望に応えてたのが20129月だった。2013年は三俣蓮華岳・双六岳、2014年は常念〜蝶ケ岳、2015年は南ア・北岳といずれも天候に恵まれた山行で、5年目の2016年は立山三山縦走を企画したが天候は神のみが知るだ。
 日程  2016821日〜23
 メンバー  君津組;山田、近子、菅野、工藤、藤原。・小倉組=山下一男、英子、二村。
8月20日    君津BT6:00=東京7:20(北陸新幹線かがやき)=富山9:31=室堂12:50
 小倉8:11=富山13:51=室堂17:00 
 室堂に着くと雨で、屋外で昼食予定だったがレストランは持ち込み禁止とあって高いまずいメニューをとった。持参の弁当は明日の昼食用にした。外に出ると雨は止んでいて大勢の観光客で賑わっていて台湾か中国にいるような錯覚を覚えるくらいだ。
 室堂平にはワレモコウ・チングルマの穂波・タテヤマアザミ・トリカブトが咲き乱れてもう秋の気配です。
室堂〜みくりが池〜みどりが池〜室堂を散策して室堂山荘に到着して一風呂浴びて小倉組を室堂BTに迎えに行った。
 合流後はガスも霽れてきて夕日を眺めながら明日の天候を願っていた。小倉組と君津組の初顔合わせの人もあって自己紹介も兼ねての懇親会での話の花が咲いた。

 今日の当初の山小屋は‘みどりが池温泉’を予定していたが1か月前でも満員と断わられ室堂山荘も男女別部屋の相部屋しか取れなかった。‘みどりが池温泉’は登山者というより観光客が大半を占めているようだった。
 夜半トイレに起きたとき星が輝き立山連峰が黒く光っていた。
立山三山縦走スライドショー 
 8月21日   室堂山荘(24106:35…一の越(27057:40雄山(30039:15/10:05大汝山(301510:35/11:30富士の折立(299911:45真砂岳(296112:40別山(287413:55…剣御前小屋(279214:35<行動時間:8時間00分>
 青空を期待したのにガスがかかっている。そういえば冷え込むことなく部屋の中は暑くて寝苦しく一男君は暑い暑いと布団の上に座り込んでいたようだ。
 歩き出すと時折ガスが切れて浄土山に一の越・雄山が姿を現してくれる。雷鳥が3羽姿を見せるが、雷鳥は名のごとく雷雨を呼ぶ鳥なので自分は歓迎しないが皆喜んでいる。まあ、いいか。

 一の越もガスで期待した針ノ木岳が望めない。雄山に向かってガラ場を慎重に登っていくと時折ガスが霽れてきて室堂平が眼下に広がり剣岳も見せてくれる。

 雄山山頂の狭い場所に20数名が座って神主さん?の厳かな中にユーモアもある言葉をいただいた。祈祷料\500で工藤さんが今シーズン16,500番目で、菅ちゃんコンピューターが素早く計算した825万円に驚いた。噴飯者と称されたxx大作監督の「春を背負って」のロケ現場となった大汝山まで足を進めて昼食をとった。ここまで足を延ばして室堂に引き返す登山者も多く、ここを過ぎると静かになったが午後にもなってガスが濃ゆく視界が閉ざされ2度ほど霧粒が気になることがあったが雨だけは避けられた。

 霧が切れて青空が覗くと歓声が上がるも、それも瞬時に終わってついに後立山連峰を望むことがなく五座目の別山に。頑張った英子さんは社に「無事に歩けたこと、室堂で絵を描きながら待機している一男君が再度山歩きが出来る様に」、工藤さんは「歩けるかなーの弱気も歩けた自信に感謝」しているようにも見えた。

 タカネツメクサ・イワツメクサ・アキノキリンソウ・ヤマハハコ・エゾリンドウ・トウヤクリンドウに秋色のオンタデくらいが目に留まった花々です。

今回の歩きのトップは藤原さんで健脚、セコンドは二村君に近子、ラストグループは英子さん・菅ちゃん・工藤さんに山田がしんがりを務めます。二村君は「昨年の北岳より楽だと」と余裕綽綽で、計算したように予定通り8時間で剣御前小屋に到着です。

 部屋に落ち着くと剣岳を覆っていた雲の動きに一喜一憂しながら眺めていると全容を見せてくれ、岩稜が夕焼けにも染まる様も見事です。これらが部屋から望めるのは201188日(5年前)に泊まった時は大混雑だったので早めに予約の電話を入れたお陰か。部屋で横になっても星空が眺められた。

 8月22日   剣御前小屋6:35…雷鳥沢キャンプ場(21008:15…みくりが池温泉(24109:20/11:15…室堂(245011:35/12:20=富山14:30/16:12(北陸新幹線かがやき)=東京18:38=君津20:10<行動時間:2時間50分>
 素晴らしい朝です。剣岳にその奥に旭岳・白馬岳・清水山・杓子岳・白馬槍ヶ岳・唐松岳・五竜岳と後立山連保が、火打山に戸隠も覗いています。

部屋に居ながらの眺望が楽しめます。菅ちゃんは頓珍漢なことを言っていたが「信州側から見るのと違うんだ」とようやく理解したようです。

外に出ると雄山の奥に槍・穂高連峰が、龍王山・浄土山の奥にピラミダルに黒く光るのは黒部五郎岳、その右に赤く大きな山が薬師岳。工藤さんは山の位置が理解できなく、昨年歩いた薬師岳の位置がピーンと来なく黒部五郎を教えるとようやく薬師岳がわかったようで喜んでいます。二村君は「槍ヶ岳はどの方向かな」と言っていたので槍ヶ岳が見えたことに一人感動しているようで「今回はこの年令で貴重な体験をさせて頂き感謝感激、人生の一ページを飾る事ができました」と嬉しいメールをもらいました。

大日岳の左側奥に加賀の白山、右に富山市内と富山湾に能登半島までの恩恵を受けることができます。房総半島には台風10号が上陸したと言っているのに。

朝食後出発しようとしたら‘オコジョ’が見送ってくれます。

宿泊の登山者は剣岳に向かう人、大日岳に向かう人が多く、室堂に下る人は少ないです。これは立山三山を縦走したら1日で室堂まで戻るからでしょうか?

山はゆっくりと時間をかけて歩くと、今回のように期待以上の眺望が望めるのです。剣岳・槍ヶ岳に薬師岳に「さようなら」の挨拶をして、昨日歩いた稜線を「よく歩いたなー」と確かめながら雷鳥沢を下ります。

雷鳥沢キャンプ場から奥大日岳・大日岳の山容を確かめながら「来年はここを歩きたいなー」の声も出ていました。今回の絵画題材はこの風景に決めました。

ロッジ立山連峰・雷鳥沢ヒュッテを横目に最後の登りで雷鳥荘に、‘水彩画展’が開かれていたので覗いてみくりが池手前の展望台に着くと山下画伯が待っています。

2日ぶりの再会でオールメンバー8名が揃っての記念写真に納まります。みくりが池温泉で日帰り温泉(¥700)と乾杯のビールで締めます。

涼しかった室堂から一気に夏に戻った富山で「富山に来たからには魚でしょう」と寿司屋さんで最後の締めを行って君津組は16:12発のかがやき530号で、小倉組は17:02発のはくたか567号で帰路につきました。

台風一過の車中から富士山も眺められ、日本三霊山の立山・白山・富士山と拝められたのも日頃の精進の御蔭か。感謝です。