安部奥の山/三座と温泉三昧
 安部川の奥ということで安部奥、響きある名前ではありませんか。

光岳から寸又川林道に降りて、大樺沢から大無間・中無間・小無間を越えて田代温泉に下り、井川峠を越えて孫佐島に、そこから十枚峠を越えて内船まで4泊5日の肉体的・精神的に最も苦しい山旅を味わったのは9年前だった。

その時、孫佐島の民宿で親切にしていただいたこと、十枚峠から十枚山へ疲労困憊で登れなかったので再訪の意味もかねて、安部奥の山にも登りたいと思って

八紘嶺(1918)、山伏(2013)、上十枚山(1726)、下十枚山(1732)4座を計画した。しかし、民宿孫佐島は電話しても通じなく営業を止めていて残念なり。

天候は6日まで晴マークが続いていて、女房は土日月ならと行くことになった。

 期 日  平成2863日(金)〜6日(月)
 メンバー  山田睦、近子
 63   君津IC13:00=御殿場JC=(新東名高速)=新静岡IC15:35=(安部街道)=梅ケ島温泉16:30=安部峠P16:45(テント泊)
 新東名を飛ばし、駿河湾沼津SAで食料を購入した。梅ヶ島温泉からはクネクネにガスがかかって見通しの悪い林道を登るとツツドリが啼く安部峠手前のPに着いた。 
 ガスは一段と濃く風も強く、テントは車の風下に張って買ってきた弁当にビールとウイスキーをチビチビやって、相棒は車、小生はテントの中で19時には横になった。風でテントが揺れて幾度か目を覚ました。
 安部奥の山/八紘嶺&山伏
 64   安部峠P4:40…富士見台5:25八紘嶺6:45/7:10…安部峠P8:40山伏登山口9:55…大岩10:50…蓬峠11:40…西日蔭沢分岐13:15山伏(ヤンブシ)13:25/14:00…登山口16:30=コンヤ温泉・志むら17:05(泊) *行動時間;4時間+6時間35
 目を覚まして朝食は行動時にと直ちに出発する。青空が広がり、直ぐの急登で落ち葉に朝陽が当たって輝いている。
 八紘嶺登山口からと合流してアップダウンを繰り返して次第に高度を稼いでいる。シロヤシオ・トウゴクミツバツツジにタニウツギ・ヤマツツジ・ホツツジ等が新緑の中に映えていて、5月中下旬頃が最盛期ではないだろうか。
 登り始めにキョッキョッはアカゲラか力強いドラミングもブナ林から聞かれ、稜線に出るとチョチョリチョチョリ…とメボソムシクイも囀っていて歩きも軽くなる。
 富士見台と東が開けたところでは日本一の富士山が見えるのはうれしい。
 山頂からは双頭の笊ケ岳に聖岳に赤石岳かと思われる残雪を少し残した南アも。八紘嶺は安部奥の山の要所で西に行けば山伏、北は七面山に通じている。県内からの中年夫婦は安部奥は庭みたいに歩いて、今日も七面山をピストンですと去って行った。復路ではソロの登山者3人とすれ違って戻った。

 山伏の登山口に向けて車を移動。登山者駐車場は満杯状態で河原にも停まっていた。

沢沿いに進むのでミソサザイにオオルリも聴かれてうれしき限りです。
 蓬峠では我々の後からの3組(4人)に抜かれて、下山者12組ほどとすれ違って人気の山と言うより、山伏は日本200名山で安部奥の最高峰だからでしょうか。

今日の最後尾でササ原の山頂に到着した。ヤナギランの群生地は鹿から食害保護のための柵が施されています。
 視界がきくであろう北方面はガスで残念なり。時折ガスが流れて南アの山に笊ケ岳であろうと思われる山稜が覗きはするが、粘ったものの山座同定はできなく下山の途につきます。
 鹿が泥を舐めているのは塩分補給だろうか、至近距離になっても逃げようとしなく人なれしているのかも。わさび田は廃れていて後継者不足なのだろうか。

 登りでは好調だった相棒の足は下りになるとガックンと落ちてしまったが、略コースタイムで無事下山、駐車場にポツンと1台だけ残っていました。
 
 今日の宿コンヤ温泉・志むらに到着。疲れた身体を温泉と食事で癒すことができました。ビール2本目を注文するとなかなか持ってこない?近くに借りに行ったとのこと、なんとのどかな宿です。宿の庭には山野草が…ご主人の趣味だそうで、露天風呂も広く湯加減も何時間でも浸れるほどです。

明日は十枚山に登るので朝食を700の頼みます。

 安部奥の山/十枚山
 65   コンヤ温泉9:00=黄金の湯9:3015:00=関の沢=十枚山登山口の中の段農道記念碑16:00=関の沢=油山温泉/油山苑17:00()
 夜半から雨の音が、取りあえず朝食をするも雨やまず山は中止し、明日十枚山に登ることにします。今日1日どう過ごすかと、取りあえず‘黄金の湯’に。

1時間¥700の看板で、なんとせこい温泉だと思って温泉場のアンケート用紙にその旨を書いて投函。しかし休憩室ではクーラーや毛布の持ち込み、隣接の食堂からビールや食べ物を持ってきては悠々と過ごしています。カウンターに確認に行くと「¥700のお支払いでしたら1日過ごせます」、1時間は登山者等の風呂だけの制限時間で料金は別途とわかりました。納得です。それならばとビールに蕎麦にこんにゃくを所望し、満腹で仮眠もしたりして時間を潰した。温泉には今朝の宿で2回、黄金の湯で2回、今日の宿の油山温泉で2回と一日で6回も入る新記録です。
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度入って時間を潰し、今日の宿の油山温泉に向かいます。

途中、関の沢入り口から十枚山の登山口は茶畑の中の隘路で急坂とあったので確認に行きますが大変です。対向車がきたらどうすのだろうと不安一杯です。

 油山苑は落ち着いた雰囲気の佇まいで料理も最高です。我々はいつも民宿泊ですので格が数段も上ですが宿代はリーズナブルでした。又、泊まりたい宿です。

 宿の横を流れる小川で蛍狩りに、夜空の星が明日の天候を約束してくれてます。

 66   油山温泉7:40=関の沢=中の段農道記念碑8:50…十枚山登山口9:00…直登コース分岐9:25上十枚山11:20/11:40…中の段農道記念碑13:00=関の沢=新静岡IC14:35=君津IC16:50  **行動時間;4時間10
  昨日の下調べで登山口まではスムースに到着。相棒は膝が痛い・ヤマヒルが出ると車で待機です。
 ヒルガードを靴にしっかりと噴霧して出発したが直ぐに手の甲にニョロニョロとヒルが這っていて早速の洗礼を浴びてしまいました。
 沢コースは登山道崩落とのことで急登コースを登りますが杉林で面白みは全くなく、ヤマヒルに細心の注意を払うのみです。

着いた山頂はガスで覆われていて視界は全くなく、標識は静岡県側と山梨県側と二つあり、愛の鐘を打ちましたがご利益はあるのだろうか?
 大光山・安部峠への縦走路の標識はありましたが、十枚峠への標識はないが下山道ははっきりしています。大光山・奥大光山にはコンヤ温泉近くの登山口から6時間で往復できそうです。紅葉の時期が素晴らしいとありました。
 足元でカサカサ…コゲラが餌であろうか何を啄んでいるのでしょうか、人馴れしていないようです。

南部の南アルプス眺望がすばらしいとあったのでガスが晴れるのを期待したが、下十枚山へは諦めます。
 次は南部町から下十枚山と篠井山にヤシオの花が最盛期の時期に登りたいなーと思って下山しました。
 他にも、七面山・身延山・富士見山・貫ケ岳・高ドッキョウ・白鳥山と南部、身延地区の魅了する山々が待っているようです。

今回は3座で終わって1554座と2000座には程遠いがどこまで記録が延ばせるかが楽しみです。

1座のコストは高いものになりましたが、温泉には通算8回入って、無事帰君できたことが何よりです。